「ぜひ、スカウトしたい」
と羽積は言うが、

「いや……富美加さんは、『羽積さん』、あるいは『かなりのイケメン、筋肉アリ』の人に以外には、追跡センサーが働かないみたいなんで、どうなんでしょうね」
と和香は苦笑いする。

「それより、私、今日、初めて富美加さんのご主人見たんですけど。
 一番のビックリでしたよ」

 富美加の夫はイケメンではなかった。

「富美加さん、イケメン追いかけるのは、ただの趣味なんですね。
 ……なんか見てると、ほのぼのします」

 和香はそう微笑みながら、ふっくらとして、やさしそうなご主人と笑い合っている富美加を見た。