不埒な上司と一夜で恋は生まれません



「しかし、その呪いのタオルたちを見ていると、最初にお前に呪いのタオルの話を聞いたときのことを思い出すな」

 雑巾のような呪いのタオル2号を握りしめ、耀は呟く。

「あのとき、俺は思ったんだ。

 その、人にはとても出せないような小汚いタオルを自分に、どうぞ、と差し出して欲しい、と」

 いや、何故なんですか……。

「だって、そのタオルを渡されるということは、お前の部屋に入れていると言うことだしな。

 ……いつも、なんだかんだで追い返されてたからな。

 ともかく、俺は、お前の家に上がれる男になりたかったんだ。

 そして、そのみっともない、くたびれたタオルを平気で差し出してくれるくらい、お前と親しくなりたいと思ってた」