不埒な上司と一夜で恋は生まれません

「待て」
といきなり手首をつかまれた。

「お前、今、荷物は減らしてってるって言わなかったか?」

「え? はい」
と言う和香の手には、ほぼ雑巾と化しているタオルがあった。

「そのタオルは……?」

「なんとなく捨てずにいつも残ってしまう、呪いのタオル2号です」

 いや、それこそ、捨てろよっ、と叫ばれる。

「吸水がいいんですよ~」
と言いながら和香は、それよりはちょっとマシなタオルを引っ張り出し、

「ちなみに、これが呪いのタオル3号です」
と広げて見せた。

「いや、結局、なんにも捨てられてないじゃないかっ」
と耀が叫ぶ。