不埒な上司と一夜で恋は生まれません

「あっ、すみませんっ。
 オリーブの実がなっていたので、つい」
と苦笑いしている。

 耀は思わず、家に戻り、扉を閉めた。

「課長っ!?」
と外で和香が叫んでいる。

「不法侵入すみませんでしたっ」

 耀はうっすら開けた扉の隙間から和香の姿を確認して言う。

「……鍵持ってる奴が不法侵入もないだろうよ」

 ……驚きすぎて隠れてしまったが。

 いきなり、和香が走って逃げたらどうしよう。

 車すら()ね飛ばしそうな、こいつの脅威のスピードには追いつかないかもしれない、と思いながらも。

 和香が走り出したら、タックルしてでも止めよう、と耀は身構える。