不埒な上司と一夜で恋は生まれません


 

 和香が去って、三ヶ月。

 今も企画事業部とイベントの打ち合わせをしていると、なんとなく、和香の姿を探してしまう。

「うちが契約している気象予報の会社も、他社も、この日、雨だって言うんですよ。
 困りましたね」

 そう池本が言う。

 池本や美那たちに、和香は会社を辞めるとき、

「自分探しの旅に出る」
と言ったらしい。

 若者が旅に出るときにありがちな、いかにもな理由だが。

 あんなハッキリ自分を持ってる奴が、なに探しに行くんだ、と思わなくもない。

 美那も時也もあのとき、あの場にいたのに、得体の知れない和香を怖がることもなく、

「呑み会に和香がいないとつまらないですね~」

 などと言って、寂しがっていた。