あのあと―― 和香は自分が関わっていた大きなイベントが終わる頃には、綺麗に引き継ぎを終えていて。 止める間も無く、会社を辞めて消えていた。 専務たちには、すでに話してあったらしい。 すべてを忘れて一からやり直すのが和香のためにはいいんだろう。 そう思うが。 声をかけてくれたら、俺も今まで築き上げたキャリアのすべてを捨てても、お前について行ったのにな、と思ってもいた。 いつも持ってるお気に入りのちょっと出しにくい財布は持っていくのに。 いつも側にいた俺は持っていかないのかと思ったり。