不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 


「課長ー、大丈夫ですか?
 おうち、ひとりで入れますか~?」

 春。
 新入社員を迎えての花見で、耀は酔うまいと思ったのに、結局、酔ってしまい、部下たちにタクシーで送ってもらった。

 だが、タクシーを降りてからは、なんとかひとり、玄関までたどり着く。

「中までお送りしますよ~」
と男性社員がタクシーから降りてこようとするが、

「いや、大丈夫だ」
と平気を装い、手を振った。

 どうせ、廊下に倒れて寝てても一人暮らし。

 誰にも迷惑かけないからな。

 耀は指紋認証で扉を開けたあと、大丈夫だとみんなに手を振った。

「では、失礼します」
と部下たちは頭を下げ、タクシーで走り去る。

 キッチンで水を飲んだ耀は、どうにか二階に上がると、寝室で横になる。