不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 

 月曜の朝。

 下に迎えに来てくれている耀のところに駆け下りながら、和香は叫んだ。

「課長っ、大変ですっ。
 羽積さんが荷物ごと消えてますっ」

「お前のストーカーをやめて、自分の持ち場に帰ったんじゃないのか?」

 そう車の中から耀は言うが。

「いや、それがうちの玄関に手紙が挟まってて。
 私の目の前から、私を惑わせるものを消してくれるとか書いてあるんですよ。

 で、どっちをっ? って思って」

「どっちをって?」
と耀が自分を見上げてくる。

「課長と専務たちの、どっちを消すつもりなのかなってことですよっ」

「待てっ。
 なんで俺が消されるっ!?」

 今、一番、私の心を乱してる人だからですよっ、と思ったが、恥ずかしくてちょっと言えなかった。