食材は次々腐りゆくが、酒類はなかなか腐らないせいもあり、豊富だった。 和香はとっておきの日本酒を電子レンジで熱燗にすると、外に持って出た。 酒を用意するときの手際だけはいいとよく姉に褒められていたものだが……。 「はい、あったまりますよ」 和香は、なみなみと日本酒の注がれた大きめの白いコップを羽積に渡した。 立ちのぼる蒸気を見ているだけで、鼻がつんとして来て、温まる感じがした。 「……ありがとう」 二人で、灯りの少ない街を見下ろし、熱燗を呑む。