不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 倒れているので、助けてくださいとか?

 具合が悪いとか?

 敵にやられたとか?

 敵って誰?

 私かな? と思いながら、羽積の部屋を訪ね、ピンポンと鳴らそうとしたとき、ガチャリとドアが開いた。

 顔を出してきた瞬間、羽積が言う。

「ビールを渡そうと思ったのに、出遅れた」

 ビールを?

 何故? と思う和香に、羽積が缶ビールをひとつ投げてくる。