不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 



 家に戻った和香は、あんまり住んでないから、綺麗な状態を保てそうなものだけど。

 掃除しないと、やっぱり、埃っぽいな、と思いながら、自分の部屋を眺めていた。

 狭いながらも、楽しかった我が家だ。

 冷蔵庫を開けると、肉まんの賞味期限が過ぎていた。

 肉まんの歌も詠まなければな、と思いながら、捨てていると、誰かが壁を叩いてきた。

 羽積の部屋がある方の壁だ。

 なんだろ? と近くまで行くと、今度は軽く叩いてくる。

 やっぱり、羽積さんか。