不埒な上司と一夜で恋は生まれません

「そうそう。
 伝説の妖刀もあったわ」

 耀の頭の中で、妖刀で専務たちが斬られていたが、妖刀なので、和香にも呪いがかかっていた。

「鞘から抜くと雨が降るらしくて、あまり抜かれたことがないらしいんだけど」

「今度から、突然、雨が降り出したら、誰かに妖刀で狙われてると思うことにしますよ……」
と耀は呟く。

「妖刀、いるのなら、貸してあげるけど。

 今すぐ復讐するのでないのなら、そんなことより、和香さんのベストショットな写真をちょうだい」
と母はまた和香の写真を要求する。

「今回の姑訪問は、耀の花嫁の話題で乗り切るから」

 この母にとっては、和香の復讐より、姑と顔を突き合わせることの方が一大事らしい。