「それにしても、課長。
 昔からお酒弱かったんですね」
と岩城の話を思い出したのか、和香は笑った。

「……悪いか?」

 悪くはないです、と和香は言う。

「お酒、弱くてもいいです。
 でも、私がいるとき以外、呑まないでください。

 誰にも送られないでください。

 課長を送るのは、いつも私でありたいです」

 耀は黙って和香を見下ろしたあとで、

「……お前が俺の王子様か」
と言う。