不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 カラメル部分の焦げ色のいい、硬めのレトロプリンもっ。

 ふんだんにのったフルーツが窓から差し込む昼の光につやつやと光ってみえる季節のタルトもっ。

 どれも美味しそうで選べないっ。

 和香は色鮮やかなケーキのつまった箱を前に、かつてないほど、苦悩していた。

 なんなんだろうな、この生活……。

 素敵なおうちに、選びきれないほどのケーキ。

 いい香りのする紅茶に、素敵な王子様。

 いや、この王子は何故か、羽積さんを自分の王子だと思っているようなんだが……。

 ともかく、臥薪嘗胆、無理っ。