不埒な上司と一夜で恋は生まれません




「姉も公務員なんですよね」

 耀のベッドで目を覚ました和香はそう呟いた。

 目覚めて見知らぬ天井を見ても、自分の横で眠っている耀の顔を見ても。

 あのときと感じることはまるで違う。

「何処の公安だ?」

 それとも、FBIか、と笑う耀に、

「CIAの職員(オフィサー)ですよ」
と言うと、

「……いや、お前、姉には好きな人がいるので、普通に幸せになって欲しいって言わなかったかっ!?」
と言われるが。

「いえいえ。
 ただの事務員です。

 何処の組織にも事務っているんですよ。
 経理もね」

 我々、経理の達人なので、と和香は言った。