不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 手を捻って相手の腕をつかみ。

 ひじの上を叩いて身体を反転させ、押さえ込むっ。

 ……いや、それ、やっちゃ駄目だろう、今。

 テンパってても、さすがにそれだけはわかったので、じっとしていた。

「和香。
 お前に、あの晩、なにもなかったから関係ないと言われたが。

 お前を自宅に招き入れたことが気になると言って、俺は、お前との関係が切れないよう、粘った。

 ……たぶん。

 一回目を覚まし、お前の腕をつかんだ瞬間。

 俺を見下ろしたお前の表情がいつもと全然違っていて。

 気になったんだ」