不埒な上司と一夜で恋は生まれません

「俺は目覚めて、自分がお前と間違いを犯したと思った。

『石崎和香か。

 可愛いが、なんか得体の知れないやつだ。
 困ったな。

 だが、俺は適当に女と一夜を過ごしたりはしない。

 お前なんぞの何処がよかったのかわからないが、こうなった以上、責任はとらねばな』

 そう思った。

 それから、俺は、しばらくお前と過ごし、お前といるときの自分を観察してみた。

 そして、一ヶ月ちょっと経ち。

 確信したんだ。

 俺は生まれて初めて、恋をしたんだと。

 お前に――

 石崎和香という人間に恋をしたんだと」

 改めて、そう断言すると、和香が涙ぐむ。