不埒な上司と一夜で恋は生まれません

「会社や専務たちの後ろ暗いところをつつけます。
 すでに爆弾も抱えています」

 脱税爆弾です、と和香は言う。

「どんな企業もギリギリまで節税してますからね。
 あと、金持ちの個人も」

「やめろ。
 うちの会社が吹き飛んだら、ローンがっ」

 ……いや、と耀は和香を見つめて言う。

「和香。
 この家がなくなっても、俺についてきてくれるか?」

「いや、私、別に家目当てで、課長と一緒にいるわけじゃありませんからね」
と言ったあとで、和香は気づく。

 おや?
 これは好きだと認めてしまったも同然なのでは、と。