不埒な上司と一夜で恋は生まれません

「そこで得た力ってなんだ?」

 それは……と和香が言いよどむと、

「なんだ?
 聞いたら、祟られるとか?」
と言い出す。

「いや、祟られるとかじゃないですよ……」

 なにに祟られる予定なんですか。

 国家ですか、警察ですか、公安ですか、と和香は思う。

「いやまあ、言っても大丈夫なんですけど。

 私がその爆弾を使ったとき、課長はなにも知らなかったってことにした方がいいだろうなと思って」

「爆弾?」

「物の例えですよ。
 私の専門、そういうのじゃないんで。

 私の専門は経理です」

 電卓の達人なんです、と和香は言った。