不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 


 その日、和香は耀に、話がある、と言われて耀の家へと向かっていた。

 耀の方が仕事が終わるのが遅いので、図書館に行ったあと、近くのカフェにでもいると言ったら、

「いや、うちで本読んで待ってたらどうだ?
 お前、うちの鍵持ってるんだし」
と指紋認証されてる手をつかまれ、言われる。

 私の手があなたの家の鍵というのも不思議ですね、と思いながら、

「あ、そ、そうですね」
と赤くなると、耀も赤くなり、手を離した。