不埒な上司と一夜で恋は生まれません

「私も同じですよね……。
 自分の正体隠して、普通のOLを演じて。

 それで、誰かが私を好きになってくれたとしても。
 その人が見ているのは、本当の私じゃない気がします」

 復讐をしたい私と、普通のOLを演じている私と。

 どれが本当の私なのか。

 そう憂いながら、和香は言ったが。

「いや……全部同じお前に見えるが」
と申し訳なさそうに羽積が言う。

 その声に被せるように、階段を上がってきた耀が言った。