不埒な上司と一夜で恋は生まれません

「仕事でもないのに、お前につきまとったり、待ち伏せたりする自分に対して。

 やめとけ、と思っている、『まだ冷静な俺』への言い訳のようなものだ。

 ところで、考えてくれたか?」

「なにをです?」

「俺は昨日、お前に告白した気がするんだが」

 するんだがって……と苦笑いしながらも、和香はスーツ姿の羽積を見て言った。

「今日も営業さんをやるんですね」

「ああ、昨日は休日出勤だったし。
 なかなか、仮の仕事のわりに忙しくてな」

「……羽積さんは仕事柄、いろんな役を演じていて。
 どれが本当の羽積さんかわからないなって思うんです」

「だから、好きになれないと?」