不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 猫の鳴き声がした。

 下を見ると、いつぞや、和香たちと捕まえたキジトラの猫が足にスリスリ寄ってきていた。

 羽積は、
「なんだ、また逃げてきたのか。
 飼い主が心配してるぞ」
とその猫を抱き上げる。

 猫は嬉しそうに目を細め、ぐるぐる言っていた。

 チラと和香の消えた扉を見たあとで、猫を連れて階段を下りる。