不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 


 なにあいつの課長に張り合って告白してんだ。

 和香が消えた扉を見ながら、羽積は思う。

 恋には落ちない予定だったのに。

 というか、今でも、あんな危険な最終兵器みたいな女は、ぜひとも遠慮したいと思っているのに――。

 それにしても、和香のことだ。

 きっともう、専務たちを追い落とすためのなにかを手に入れているのだろうに。

 何故、いつまでも動かないのだろう。

 ずっと男とチャラチャラしてるだけじゃないか。

 神森耀と平和に暮らしてくれた方がいいと思っているはずなのに。

 それくらいなら、復讐を遂げて、あの男の前から消えてくれと思っている自分もいる。