不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 



 耀に送ってもらい、和香がアパートに帰ると、羽積が外廊下で街を眺めながら、静かに呑んでいた。

 和香が近づくと、ほら、と缶ビールを投げてくる。

「ありがとうございます」

 ビールは寒いな、と思いながらも酒の誘惑には打ち勝てず、ぷしゅっ、と開けた。

「何処行ってたんだ?」
とスーツ姿もサマになってきた羽積が訊いてくる。

 いや、もともとはこういう格好の人なのかもしれないが。