不埒な上司と一夜で恋は生まれません

「課長がお魚のコーナーを眺めてらしたとき、私、ちょうど生わかめの方見てまして。

 そしたら、背後から聞こえてきたんです。

 『怪盗さんまか……』っていう課長の声が。

 絵本でもあるのかなと思って振り向いたら、課長は細長いパックを手に立ってらっしゃいました。

 あれは、『解凍 サンマ』ってラベルに書いてあったのを読まれたんだったんですかね?

 いや、ずっと気になってたんですけど。

 でも、怪盗さんまと思ったとか口に出していったら、呆れられるかなと思ったので言わなかったんですが……」

「じゃあ、何故、今訊いた……?」