不埒な上司と一夜で恋は生まれません

「お待ちくださいっ、お待ちくださいっ」

 あいや、しばし待たれいっ、くらいの勢いで、和香は耀の手をつかんで止める。

 耀が赤くなって、和香から離れた。

「あ……えーと。
 わ、私が払いますっ」

 和香もちょっと照れてしまい、急いで千円札を突っ込んだ。

 が、う~、という低い機械音とともに、千円札が押し戻されてくる。

「……なんかお前の人生を象徴してるな」

 やっぱり俺がおごろう、と耀はさっさと小銭を入れてしまう。