不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 



「いい雰囲気だな」
 社食を出て、和香と別れたあと、時也が言う。

「なにがだ」

「しょうもない話をする和香ちゃんを見つめるお前の目。

 小動物を微笑ましげに眺めているみたいで。
 なんかいつもと違ってよかったぞ」

 ……なんだ、その例え。

 っていうか、しょうもない話を聞かせてすまん、
と耀が思ったとき、時也が、

「でも、和香ちゃんいいよな」
と言い出した。

 なんだってっ?

 時也に出てこられたら、俺なんてひとたまりもないぞ、と思ったのだが。