不埒な上司と一夜で恋は生まれません

「ああ、そうだな……」
と言いかけ、

「いや、やっぱり、社食に行くよ」
と言う。

 社食に行けば、和香の姿が見られるからだ。

「どうした、ぼうっとして」
と言われ、

「いや、今、オリーブの木に実がなったせいで、ゴジラとガメラが京都駅を破壊してるところまで、妄想が進んでて……」
と素直に言って。

 なんだそれ、と苦笑いした時也に言われた。

「珍しく仕事中にぼんやりしてるから、恋愛がらみかと思ったよ」

「いや……。

 ……うん、そうだな。

 恋のせいかな」
とまたまた素直に呟いたが。

 時也や周りで聞き耳を立てていた部下たちに、

 何故、恋のせいで思い詰めて、オリーブの実がなって、ゴジラとガメラが京都駅を破壊するんですかっ!?
と思われていた。

 だが、耀の中の和香のイメージを煮詰めたら、そんな感じになるのだった。

 これでよく恋に落ちれたものだと自分で思う。