不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 例え、そこが足の踏み場もなく散らかった部屋だとしても。

 お前が住んでいるところなら、俺にとっては楽園だっ、
と結婚して一、二年もしたら、絶対に思いそうにもないことを耀は思っていた。

「そうなんですか」
と言う和香に、アパートへの憧れを語り尽くした耀は、いつの間にか、和香の部屋の物について語りはじめ。

 この部屋にあるのだろう、呪われたタオルについても語りはじめた。

「古いタオルは吸水がいいと聞く。
 だが、うちにはそんなタオルはなかった。

 おそらく知らないうちに、ちょっと古くなったら、お手伝いさんが買い換えていたんだろう。

 古びたタオルなんて、我が家には一枚もなかった。

 見たこともない」
とそろそろ会社のみんなに殺されそうなことまで語る。