不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 



 いつものように美味しい夕食をいただいたあと、和香はリビングのソファで借りたミステリーの新刊をめくる。

 新しい本のいい匂いがした。

「ちょっとそれ、怖い感じだったが、大丈夫か」

 はあ、たぶん、と言いながら、和香は言う。

「すごい怖い話って、あとがきに救われますよね。

 作者の人の愉快な話とか書いてあると、なお、いいです。

 ああ、この怖い話、現実じゃないんだなー、って思って」