不埒な上司と一夜で恋は生まれません

「そのエコバッグ、ビールと弁当が入ってそうだなと思って見てたんですが」

「当たりだ。
 探偵になれよ」
と言いながら、羽積は和香の方を見もせずに呑んでいる。

「もう命令が解除されてたのなら、習慣で見張ってただけなんですか?」

「いや……
 なんかこう、お前を見張ってると、時計代わりになってよかったんだ。

 会社勤めの奴って、規則正しく動くからな」

 なんですか、それは……と苦笑いしながら和香も呑む。

「そんな感じにずっと見たんで。
 いつの間にか、お前の成長を妹を見守るように見守っていた――」

「……羽積さん」