不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 いつ、ぐっ、と母の指に力が入ったのかわかる。

 和香がその瞬間、カッ、と目を見開くからだ。

 和香。
 俺の母の機嫌を損ねないために、激痛を我慢してくれるとはっ。

 俺に近づくなとか言われたりしないようにだろうか、とちょっと期待してしまう。

 和香は平静を装いながら、何度も目を見開いていた。

 そろそろ止めた方が、と耀はハラハラしていたが。

 和香が突然、
「あ、肩が軽くなりました」
と言い出した。