不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 


 休日、耀と和香は母親に呼び出され、一緒に昼食をとっていた。

 耀がお手洗いに立って戻ってくると、眺めの良い広い個室に、母親の笑い声が響き渡っていた。

「まあ、ほんとうに楽しいわ。
 和香さんのホラ話」
と機嫌がいい。

 耀は席に座りながら、和香に小声で訊いてみた。

「なんの話をしたんだ?」

「FBIにいたときの話です」

「……いいのか、それ」

 っていうか、FBIに愉快な話あるのか、と思う。