不埒な上司と一夜で恋は生まれません

「二人とも、ご老体に近づいてるお年なんで。
 こけただけでも、大怪我になっちゃうかもしれませんよ」

「そんな風に心配する心があるならやめとけ」

 ……これはあれかな。

 私が専務たちへの復讐をやめたら。
 私を見張るという仕事が減るから一生懸命言ってるのかなと思う。

「当たり前ですけど。
 親しくなったら、人となりも見えてきて。

 専務も常務もいいところもあるなとは思うんですよ」

「じゃあ、やめとけよ」
と羽積はまた言う。

「でも、邪魔だったうちの父をハメて、産業スパイに仕立て上げ。
 うちの家庭を崩壊させたことには変わりないです」

「お前は父親の事件を調べ直すために、この世界に入ったのか」