不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 

「よし、これでお前もこの家の住人だ」

 指紋登録の儀式、というか。
 この家の住人になる儀式は無事に終わったようだった。

 試しに開けてみたが、ちゃんと鍵が開き、扉は開いた。

「たいしたものじゃないから、そこのコンビニで買ってくる。
 ひとりで行った方が早いから、先に入っとけ」

 そう言ったあとで耀は、

「……まあ、いつぞやの車も吹き飛ばしそうな猛ダッシュを考えたら、お前が行った方が速いのかもしれないが。

 ここは俺の顔を立てて、俺に行かさせてくれ」
と言い直してきた。