不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 

 次の日、耀はダンボールの載ったカートを押しながら歩いていた。

 部下が運ぼうとしていたのだが、
「ちょっと眠気覚ましに運動したいから」
と言って代わってもらったのだ。

 座りっぱなしのデスクワーク。

 少し動くと頭が切り替わっていいもんな、と自らに言い訳しながら、耀は企画事業部近くにある倉庫に向かう。

 ――和香の頭から復讐の二文字を消さなければ、自分と和香の未来はない気がする。

 そもそも、あいつ、なにをどう復讐するつもりなのか。

 あいつの計画がわからなかったら、阻止できないぞ。

 いっそ、復讐に加担するフリをして訊き出すか。

 前に、困っていることがあるなら、手を貸してやると言ったしな。