不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 ……でも、職場で鉛筆使う機会、あまりない気がするんだが、と思っていると、案の定、和香はその鉛筆を引き出しにしまっていた。

「あんた、入社するとき、特技は鉛筆削りとか書いたんじゃないでしょうね」
と美那が言うと、男性社員の池本が、

「特技、鉛筆削りで企画事業部に配属になったんですかね?」
と言って笑う。

 いや、そんな莫迦な……と和香は苦笑いしたあとで、
「それに、私の特技は電卓ですよ」
と言った。

「いや、それでなんで企画事業部よ」

 なんで経理じゃないのよ、と美那が眉をひそめる。