不埒な上司と一夜で恋は生まれません




 アパートに戻ってきた和香が家の鍵を開けていると、ちょうど羽積が階段を上ってきた。

 今、帰ってきたところらしい。

 和香を見て言う。

「何処行ってたんだ?」

「私に直接訊くんですか?」

「今日は忙しかったんで、ちょっとめんどくさくなって」

 溜息まじりに羽積はそう言う。

「図書館めぐりしてました」
と和香は素直に答えた。