不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 同じ本好きだからだろうか。

 うむ……と冷蔵棚を眺めていたら、探していたチーズと遭遇した。

 それは耀の母と遭遇した以上の衝撃で。

「やったっ。
 ついに見つけましたよっ」
と和香は丸くて、つるんとした、そのチーズを両手に掲げ持つ。

「そうか。
 ……よかったな」
と耀が後ろで、全然よかった感を醸し出さない口調で呟いていた。