不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 パタンと扉が閉まり、和香はもう一度、外を振り返る。

 古い民家とそれを囲む木々の向こう。

 ここからまっすぐの場所に半年前まで自分が住んでいた部屋の扉と小さな窓が見える。

 カーテンのかかったその窓を見ながら、見張るには最適な場所だな、ここ、と和香は思った。