不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 クラシックでも流してみようかと思ったが、意外にそれで目が覚めて、鼻歌でも歌い出すかもしれない。

 そうだ。
 突然、スマホが鳴らないよう、自分の分だけでも切っておこう。

 そんなことをそっとやっている間に、和香は肘掛けに寄りかかり、目を閉じていた。

 もう少し寝入ったら、毛布でもかけてやろう。

 耀は和香の前に立って、その寝顔を見下ろした。

 ぽかぽかした日差しの中、塀の上で寝ている猫みたいに、気持ちよさそうに和香は眠っていた。