不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 満腹、あったかい、目が疲れた、と眠くなる条件が三拍子そろったらしい和香は、うとうととしはじめた。

 物音ひとつさせないよう、耀はページをめくるのにも緊張する。

 そうそう。
 そのまま寝るんだ。

 よしっ、寝ろっ、と耀は念を送ってみた。

 すると、自分が超能力者だったのか。

 和香が疲れていたのか。

 和香は、ゆっくり目を閉じはじめた。

 だが、突然、『いや、人様のおうちで寝てはいかんだろうっ』とばかりに、カッと目を見開く。

 和香が神殿の巫女なら、今、なにか神からのお告げでもあったのかっ? と問いたくなるくらいの勢いだった。

 いやいや。
 いいから、いいから。

 無駄な抵抗をせずに寝ろ。