不埒な上司と一夜で恋は生まれません

「バイト代アップじゃなくて、寝る前にホットミルクがつくくらいかもしれませんけどね」

「住み込みで働いてたのか?」

「短い間ですよ。
 学生時代、ちょっぴり放浪の旅に出てまして」

 それから、二人で和香が切ったフルーツを食べた。

「あ、この照明器具も素敵ですね」
と上を見上げた和香に、

「全部業者任せだから」
と言いながら、

「そういえば、お前は今のアパートはいつから住んでるんだ?」
と訊いてみる。

 ちょうど更新の時期なんですよ~。
 いい家があったら、引っ越そうかなと思って、とかいう展開になったら、

「空いてる部屋、使ってもいいぞ」
とか言えるのだが、と思いながら。