ぷるんは初代魔王様の力の具現である強い加護だ。


だが、カオスが出現してから今まで放った火の玉を全て一人で跳ね返し、溶かし、吸収し、処理してきた。さすがの初代魔王様の力も尽きてくる。


『限界を越えたら、加護様は消滅する』


サイラスの言葉がベアトリスの中を渦巻く。ぷるんの身体に閉じ込めたカオスは繰り返し火球を放っては、容赦なくぷるんの力を削っていた。


(このままではぷるん様が消滅、死んでしまうわ)

「ギィエェエエ!!」


半身を魔術陣に引きずり込まれて危機感が高まったカオスは都度叫び声を上げるようになっていた。


ぷるんの体内で魔術陣から身体を抜け出そうともがき、暴れ狂っている。どんなにカオスが暴れてもぷるんがいるおかげで、外に被害は全くなかった。


だが、ぷるんが限界を迎えたら、あとは業火の海になる。