もうすっかり慣れた電気自動車で、清海さんを迎えに、空港までやって来た。

遠くに愛しい人を見つけ、手を振ったら、彼も小さく手をあげてくれたが、やはり元気がない様子…。

本当に、どうしたのだろう…?

「清海さん、おかえりなさい!」

元気よく迎えてみたが、これまで見たことがないほど、落ち込んだ表情をしている。

「ねぇ…何があったの?」

「帰ってから話すよ…」

車で移動している間、東京はどうだった?などと話し掛けても、暗い口調でしか答えてくれない。

自宅に着き、夕飯を並べたが、健啖家の清海さんの食欲がないので、流石にこれは、ただごとではないと思ってしまう。

「清海さん。私には何でも話して?」

結婚したいとまで言ってくれた仲なのだから…。