斗亜「馬鹿」


するとミナの視界は、斗亜の手にあった葉っぱで覆われた。


もちろん、照れてるんだってわかる。

だからミナはどうにか、斗亜の照れてる顔を見ようと足掻く。


斗亜「見るな、マジで」

笑い声混じりでそう言う。

だから、ミナも笑いながら…。



だけど斗亜に会って、嬉しくて楽しくなってしまっていた。


斗亜の目を見ては、言えない。

でも、言わなきゃいけないこと。




ミナ「斗亜、私ね」

斗亜「うん」


急に真剣な声になったミナ。

葉をどけようとした斗亜の手を掴んだ。



ミナ「私、帰らないと行けない」



さっきまで笑ってたのに、また涙が止まらなくて斗亜の手を強く掴んだ。


だけど、斗亜はミナの力に逆らった。


葉がなくなって、ミナと斗亜の目があった。


斗亜「なにが、あったの」


ミナ(斗亜と目があったら、嘘がつけない。

目を逸らせない。)


ずっと前から今も変わらずそうだった。