ミナが缶を開けてそのお酒を口元に持っていったとき、森宮が現れた。


森宮「懲りない人ですね」

音瀬「森宮、あなたこそ」


ベンチの前に立ちミナを見下げる。

ミナは一口、二口

その慣れない度数の酒を口に入れた。


音瀬「もう私はあの学園とは関係ないでしょ」


音瀬【あ…ダメだ】



いつもより早く溢れてきたミナの本当の感情。

改めて、口にした学園のこと。



下瞼に溜まった涙。


ミナ(両親に見捨てられて、私は…。

やめろ。

やめろ。

そんなこと今、考えるの…)



音瀬「やめ、」

目を閉じた瞬間に、その涙がこぼれた。