君と笑い合えるとき

えいっと,頬に1つ。

静流くんは知り得ていたように,幸せそうな吐息を漏らす。



「ほら,これならこれで可愛い。それにここなら出来るでしょともう一回おねだりしてみてもきっとかわ……」

「静流くん!!」



どうやったって塞がらないのが静流くんのお口らしい。

いやに饒舌な静流くんの口を両手で押さえれば,にこにこと返ってきた。



「可愛い」



もういいかとぱっと外せば,間髪いれず先程いい損ねたばかりの言葉。

なんでと項垂れる私の顔は,これ以上無いくらいの真っ赤っかで。

左に繋がる静流くんの「可愛い」攻撃は,別れる寸前の寸前まで続いたのだった。

特別な夏の夜の下。

静流くんと,笑い合えるとき。

私はきっと,どんな時よりも輝いている。