「身長の差?」
「うん」
トントンと浴衣に気をつけて,下りる階段。
私は繋いだ手をむずかゆく思いながら,こくんと頷いた。
「さすがに,もう伸びないかな……」
どうして?
って聞かれて,私は口を閉ざす。
静流くんに近づきたいからなんて言って,これ以上? ってからかわれるのは嫌だから。
だって,自分でそう思っちゃったから,既に十分負けみたいで。
「んー,僕は今のくらいがいいと思うけどな」
何かよくある慰めでもくるのかなと,私は聞いてみたいと顔をあげた。
そんな私に降ってきたのは,言葉じゃなくて,キス。
ばっちりと私の唇をとらえたキスは,あまりに予想外で。
私はぽぽぽと熱を発する。
からころと,何でもないように笑う静流くんは,止めの一撃に
「ほら,僕だけが不意打ち出来るのがいい」
そんなとびきりのスマイルを撃ち込んできた。
ずっきゅんと,何を言われたのか理解する前に撃ち抜かれる。
なんて,罪な彼氏。
「ここなら,私だって!」
たっと上がった1段。
それでも背の高い静流くんが,羨ましい。



